手芸  ニット 原 京子



 手編み(棒針編み)の起源についての確かな文献はなく、古代エジプトとも言われていますが、中世になってギリシャ・シリアからヨーロッパに広がって行ったという説が一般的で、その後イギリスで技術的に現在の形になったと思われます。
日本には明治の中頃にイギリス人によって伝えられたようです。大正の初期に女学校の授業で習ったと母から聞きました。そのころから日本人が洋服を着るようになるにつれて、手編みのセーターやチョッキが広まったのでしょう。現在日本で手編みというと範囲が広く、棒針編み・かぎ針編み・アフガン編みの三種類に大別され、その他レース編みの数種類の技法まで含まれます。衣類として使われるのは棒針編み・かぎ針編みですが、棒針編みは機械の発達に伴いあらゆる分野にニット地として使われています。
今回出品いたしますのはすべて棒針編みです。2本または4本の棒針を使ったものです。基本的はメリヤス編みや模様編みも 素材によりゲージ(編地の密度)によりいろいろに表情が変わり、色使いパターンの変化など面白さは無限です。私はそんな魅力に惹かれて何十年も続けてきました。
 




 

綿100% ストレートヤーンで透かし模様をすそから肩まで直線に編んだ簡単なもの







 

綿素材にカラフルなアクリルを絡ませた変わり糸で編地を横に使ったもの






 
 
撚りの強いウールで基本のメリヤス編み、二色使いでゼブラの模様を出したもの









標準的なウールで模様に凝ったもの
 







 

シルクとウール混紡糸でレース編みの技法を使い襟元から編んだもの









 
 

二色を使った地模様のベスト







 
 
 
伝統のアラン模様(フィッシャーマンセーター)をアレンジしたもの