お宝自慢 コレクション  渡邊 範男


  含羞のある人を、好む!
私の好きな、含羞のあるお二人のお宝披露です。井伏鱒二、そして立川談志です。

                           井伏 鱒二
広島県福山に生まれ、東京都杉並区荻窪に居住した。文学かぶれの若き頃から、井伏文学に接すると、私は故郷に帰った思いがして心の安らぎと、悦びを覚えた。
含羞の面持で、人生の憂愁と苦悩をさりげなく微笑にとどめ、機智的なユーモアと悲哀感に溢れた井伏文学に魅了されました。
特に詩は、愛誦しました。「厄除け詩集」の漢詩の訳は、軽妙酒脱、稀代の名訳といわれ、収録の勧酒をよく口ずさんだ。
この頃思うときの、枕頭においてある。        <はなに あらしのたとへも あるぞ  さよならだけが 人生だ >
 

お宝は、井伏鱒二が馴染みとした荻窪教会通りの寿司屋「ピカ一」で井伏さんから直接頂いたスーパー
ニッカのキーボトル。
ラベルに直筆で「井伏」のサイン!!  その瞬間は、天にも昇る思い。 何を語ったか、まるで記憶なし。
現在も中身は入れ替え、眺めながら愛飲  どーだ!    (通い詰めた甲斐がありました  ピカ一は廃業してます)


 
       この瓶は、井伏鱒二故郷福山市の酒造会社が、25年前に本数限定で発売しました日本酒。
       ラベルには、やはり勧酒の一節      <このさかづきを うけてくれ どうぞなみなみ つがしておくれ>
       友人との別れが多少ある今日この頃、何とも味わいある、手触りののある詩、筆跡であります。
 


                       立川 談志
含羞とは程遠い、対極の人と思いがちですが、お会いしお話しますとシャイで、物静かな語りの家元でした。談志の素晴らしさは、落語は当然ですが、特筆は、立派な弟子を育てたこと。人気・実力の「志の輔・志らく・談春」を!人物であった証明であります。お宝は、根津の自宅(マンション)前で、毎年5月開催された「ガレージセール」で購入した品々の一部。  
 

「現代落語論」
落語ファン必読の、そして落語家志望の若者たちのバイブルといわれております本。持参した著書に、<渡辺さん 江> とサイン
頂きました。その際購入しましたぐい飲みに、<グイッと ね>、と添え書き!諸々会話したことが、つい先日のようです。



 

「絵皿」
亡くなる2年前に頂きました。家元らしい文句「知るもんか 俺はもう終わり だし」千社札の則子名は、家元の奥さんの名前


 

「木の皿」
大変汚れた木皿を購入した際に、瞬時にサラーと記述。文才に驚嘆しました。

  


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